ソレイユ通信No,48(2021.3)

ソレイユのアロマボランティアは今、そして

コロナで緊急事態宣言が出され、ソレイユの高齢者施設、福祉施設、緩和ケアのボランティア活動を自粛して1年が過ぎました。リスクの高い方々がおられる施設なので、出入りを遠慮いたしました。

最初は、しばらくのことかと様子を見ていましたが、この様子では復活するのに年単位を要するものと思われます。

それに伴いメンバーに行う「ソレイユ医療介護研修(ソレ研)」も止まっています。

ソレイユの活動紹介とボランティア活動のための研修なのですが、派遣できる施設が今のところないからです。(医療関係は継続しています)

 

一方、ソレイユでは看護職、介護職のメンバーから職場でのアロマケアの導入のご相談を受けることが増えてきました。

しかし今までならその方の状況をお聞きし、様々な実施の提案、活動先に見学、体験に来ていただいていたのですが、それも今は出来ません。

これまでは「百聞は一見に如かず」と実際にトリートメントしてもらいながら、色んなお話をして、大事なこと、気をつけることもお伝えしてきました。

 

今回移転にあたって、17年間の資料、記録もかなり整理、処分しました。その中に、高齢者、緩和ケアの皆さまへの施術のリポートが色々出てきました。

それを読んでいると記憶がよみがえってきました。

最初は手探りでこわごわやっていましたが、たくさんのメンバーと一緒に色んな所にアロマを届け、たくさんの方に受けて頂いて、失敗もして、でも貴重な体験も蓄積してきました。

 

ボランティアは決して感謝される事ばかりではありません。

認知症の方、寝たきりの方は今一つ反応がないばかりか、怒ってばかりの方もおられます。

喜んで下さる方ばかりではなく、拒否されると正直めげます。

 

最近職場のデイサービスでアロマケアを始められたメンバーも「本当にこれでいいのかな?その方の為になっているのか…」と悩みを打ち明けて下さいました。

でも精油の入ったオイルを皮膚に塗布し、手技を行うのだけがアロマテラピーではありません。

香りのある環境で、そっとタッチケアをするだけの時もありますし、おしゃべりで心をほぐしながらいつの間にか受けている、という手段が有効な時もあります。

ご本人が寝たきりで反応がない場合も反応が出来ないだけで気持ちはいいのかもしれませんし、ご家族が希望されている場合アロマケアをうけていると思うだけで家族の「救い」になるときもあります。

 

私たちは新人さんには「1年は続けてみて下さい。何かしらの変化が見えてきます。」と話しをしています。

セラピストが振り返ったときに関わった方々の変化から自分で気づく、自分が変化する、ときもあります。

 

このコロナで活動が途切れている今、これまでソレイユが積み上げたハウツー、マインドが途切れてしまわないように伝えて行ければと考えています。